オピック”知っ得情報” 2020年4月号
新型コロナウイルスの影響を受けて、都市部から自然の中で自主隔離生活を送ろうと、田舎に向かう人が激増し、地元の人々はこれを歓迎していませんが、イースターホリデーを前に、田舎の保養・宿泊施設では、都会を避ける人たちの予約が増加しています。
1.豪州経済、下落傾向へ ➴➴➴➴
オーストラリア準備銀行(中央銀行/RBA)は、3月3日に0.50%に下げた政策金利を、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済への影響を軽減する目的で、19日緊急利下げを23年ぶりに実施、更に0.25%引き下げ、史上最低の0.25%にしました。
同国で初めてとなる量的緩和の導入を含め、包括的な緩和策を実施します。声明では新型ウイルスによって世界経済の短期的な先行きに不透明感が広がり、金融市場は不安定になったと指摘。豪国内でも教育や旅行部門への影響が顕著で個人消費にも悪影響を与える見通しだとして、1~3・4~6月期の国内総生産(GDP)伸び率が従来予測を大きく下回る公算が大きいと予想しました。
4月1日の臨時会合では、政策金利のオフィシャル・キャッシュレート誘導目標の現行水準について、「実質的な下限」であり、「マイナス金利を導入する意図はない」との点で政策委員会の意見が一致したことも明らかになりました。
また、財務省は3月29日から、これまでは案件の規模により必要(外国人がオーストラリアで不動産を購入するときにも必要)であったFIRB(外国投資審議委員会)の承認が、新型コロナウイルスの影響を受けた企業資産の投げ売り(海外企業による地場企業のM&Aや農地投資)を防ぐため、危機が続く間は、あらゆる外国投資案件にFIRBによる審査が義務付けられ、既存・新規の申請について審査期間を30日間から最大6カ月間に延長するとしました。但し、今回の措置は現状が続く間の一時的なものとしています。
2. 新型コロナウィルス感染症によるオーストラリアの国内制限!!
オーストラリアは既に“鎖国”の状態で、庶民の生活に直結した制限は、
1)原則、自宅を出ない(買物・医療・運動を除く) 2)外で人と会うときは、1人まで 3)買い物は生活必需品のみ(スーパー開店直後の1時間は高齢者専用時間設定) 4)原則、在宅勤務 5)70歳以上の高齢者と生活習慣病を持つ60歳以上の自主隔離・・・などです。
またNSW州では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために設定した混雑基準を超えて海水浴客が集まったとして、シドニーの人気海岸“ボンダイビーチ”を暫定的に閉鎖し、“サーファーズパラダイス・ビーチ”も同様の原因で2日に閉鎖されました。
小売業では、大手百貨店の“マイヤー”も国内全店舗を3月末から4週間の休業を決め約1万人が収入を失いますが、逆に大手スーパー“ウールワース”は人員を削減したばかりでしたが、店舗での人員強化が必要として2万人の採用を決めました。
3.政府の巨額支援策“第3弾”!!6か月で1,300億豪ドル(約8兆6千億円)!!
緊急支援策“第3弾”は、国内企業に対し従業員1人当たり隔週で1,500豪ドルを支給することになり、受給資格は3月1日に遡及して適用され、既に多くの従業員を一時帰休としている航空業界や観光業界にとって、雇用維持のための大きな助けになるとみられています。