オピック”知っ得情報6月号”
オーストラリアは、昨年夏の大規模山火事で約800万haの森林が失われましたが昨年末に続いた豪雨で、干ばつも緩和され、植物の再生が進んでいます。
1.オーストラリア経済 ☛⤴⤴
豪中銀(RBA)の政策金利は過去最低の0.10%で据え置き。豪統計局(ABS)は、2021年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が、前期比1.8%(前年同期比では1.1%)、新型コロナ感染拡大後、初めてプラスに転じたと発表しました。感染拡大前の2019年第4四半期(10~12月)の水準を0.8%上回り、第1四半期は国内経済は回復を遂げているとの見方でした。
〇5月の失業率は、5.7%(4月5.5%)とわずかに上昇。消費者信頼感指数は、「楽観」が「悲観」を大きく上回っていた状況から、6月107.2と前月から5.2%低下とその差が縮まり、メルボルンのロックダウンが響き、2カ月連続のダウンとなりました。
〇5月の豪住宅価格は、前月比2.2%アップ(4月は1.8%)、前年比10.6%、3-5月は7.0%アップでした。シドニーは5月3.0%、3-5月9%超のアップ、メルボルンも5月1.8%とそれぞれアップとなりました。ブリスベンは、前月比2.0%、3-5月比5.6%、前年比8.3%アップ、中間価格帯の戸建平均は、621,806ドル、ユニットは、405,902ドルとなっています。依然と住宅価格の見通し指数は、歴史的な高水準を記録していますが、住宅購入意欲は、価格の値ごろ感が薄れたため大幅に低下しており、心理的な停滞感が出始めているように感じます。
〇ナイトフランク発表の“世界の高級住宅(価格上昇)ランキング100”(過去12カ月)で、パースが豪州トップの34位3.6%上昇、ゴールドコーストがなんと36位3.2%ブリスベンが44位2.5%、シドニーが56位1.1%でした。豪州の2021年住宅購入者はアウトドアスペースと娯楽設備を重視し、家族で過ごせる家を好んだようです。また世界の超富裕層は、オーストラリアをイギリスとアメリカに次ぐ第3位の不動産購入先として選んでいます。
2.新車販売好調!人気は税優遇措置活用の個人事業主“ピックアップトラック”需要!!
豪州の5月の新車販売台数は10万台を超え、前年同期から68%増。新型コロナへの懸念から公共交通機関ではなく自動車で移動する人が依然多いことも自動車販売を押し上げているようで、記録的な低金利や高水準の貯蓄、雇用増加など多くの要因が消費を下支えしていると見られます。
3.カンタス航空からのワクチン接種プレゼント計画 💉
カンタス航空は、ワクチン接種奨励策として、既に接種した人、今年中に受ける人全員が申し込めるプレゼント計画を発表しました。賞品にはバウチャー1,000ポイント分、旅行クレジット、4人家族10組に1年間搭乗無制限など検討中とのことです。
4.豪マネロン対策当局、カジノ運営“スター”を調査、クラウン買収に暗雲!!
豪金融取引報告・分析センター(AUSTRAC)は7日、カジノ運営大手のスター・エンターテインメント・グループを顧客資産査定(デューデリジェンス)法違反の疑いで調査していると明らかにしました。同業のクラウン・リゾーツに対する90億豪ドル(70億米ドル)での買収案が危うくなりそうです。「高リスク」評価の顧客に対する対応が不十分だったようです。