オピック知っ得情報”2024年4月号”
さて、暦上は秋も深まり、夜は少々肌寒くなってきました・・・という感じなのですが、天気は荒れ模様で、たまに夏の湿気を感じる日もあります。
〇リゾート地として有名なQLD州ハミルトン島が、店舗で現金が使えない完全キャッシュレス化になり、同島の決定にソーシャルメディアで多数の批判の声が上がっています。ここ数年、豪州国内で大手銀行は数百支店を閉鎖し、2017年以降全国で支店数は37%減少しています。キャッシュレス社会への加速が止まりません。
〇NT 準州のアリススプリングスで、2週間に渡って行われた若者の夜間外出禁令がスクールホリデー終了まで6日間延長されました。アリススプリングでは一連の暴動が続き、夜間の治安悪化に伴う措置で、18歳未満の未成年は正当な理由なしに午後6時から午前6時まで市中心部に入ることが禁じられています。(違反に対し罰則は課せられないとのことです)この措置を地元住民は好意的に受け止めているようです。
〇ジェットスターは4月から週3便、シドニー~関西空港間の直行便運航を開始!”オーストラリア全ての年齢層”で日本人気が上昇中。旅行先としても昨年末にバリ島を抜き東京が1位です!JAL豪州便6月よりファーストクラス導入です。
〇日本からは、桜満開や新入学のニュースが聞こえてきますが、こちらは2学期の始まりです。これからは涼しくなり、ゴルフやハイキングに良い季節となります。日本からの飛行機の便数も増え、ますます便利で近くなります。
1.オーストラリア経済 ☛☛👇👇
豪中央銀行(RBA)は、3月の政策金利を4.35%に据え置き、3月の理事会で利上げは検討されず、3回連続での据え置きとなり、インフレ鈍化を見極めている状況です。
- 統計局が発表した2月の貿易収支は、72億8千万豪ドルの黒字、23年9月以来の低水準となり、農産物や鉄鉱石の輸出が減り、輸入額が増えたことが背景とのことです。また2月の失業率は3.7% (1月4.1%)と低下。予想外の雇用者数の増加に8月の利下げ観測が後退の見通しです。
- 大手銀行が9日発表した3月の企業景況感指数は、前月比1ポイント低下のプラス9。高金利を背景に売上高や雇用の指数が横ばいだった一方、価格上昇圧力はやや緩和の見通しです。小売価格上昇率は、1.3%と高止まりしつつ2月の1.4%からは鈍化。仕入原価の上昇率は1.8%から1.4%に低下。また消費者信頼感指数は、景気先行き懸念が高まり、前月より2.4%低下の82.4となり、中立の100を引き続き下回り、悲観的な回答が楽観的よりも多い状態となっています。
- 中国政府が3月29日からオーストラリア産ワインに対する課税を撤廃すると発表しました。両国関係の改善が影響したようです。
2.GC住宅市場動向☛2024年4月度発表
ゴールドコーストの不動産市場動向は、高級マンションを求める富裕層とダウンサイジング検討層、都市部よりも価格が低いエリアへの州間移動層の購入によってユニットが活況を呈しています。主な地点で10%以上の価格上昇があり(下表)、過去10年間で年間15%の実質ベースで上昇を記録し、開発物件も高級化にシフトしています。GC市も人口増加による住宅不足に多数のインフラ工事を進行中で、建設業者の不足を招き、新規住宅供給レベルが低下しています。QLD州全体では、戸建とユニットを合せた住宅価格は、昨年から10.18%の上昇しました。
●ユニット中間値年間変動率(24年4月) | ||
エリア | 中間値 | 変動率 |
Hope Island | $849,200 | 12.30% |
Surfers Paradise | $679,900 | 17.30% |
Broadbeach | $833,900 | 12.10% |
Robina | $788,100 | 13.20% |
Palm Beach | $892,600 | 10.70% |
Coolangatta | $974,800 | 13.10% |
〇ブリスベンの中央値は初めて80万ドルを超え、15カ月連続上昇後に最高値を更新し、住宅価格はパンデミック後に63%以上の上昇し、シドニーの成長率の約2倍となっています。
〇今後はインフレ・金利・失業率が重要な指標となり、移民の増加が住宅需要にさらに圧力をかけ、金利が年末に向けて低下した場合、より幅広い層の購買力の増加は、賃貸を余儀なくされた層を含め、購入競争に拍車がかかります。しかし供給不足と建設業界の低迷は回復しておらず、今後の物件在庫不足は避けられないようです。
〇デベロッパーは開発の障壁(用地取得~土木開発~インフラ関連コストの増大)の高まりに直面し、実現の可能性と最終的な価格設定が大きな課題となっているようです。