オピック”知っ得情報10月号”
今月は不動産市場動向が中心となります。
コロナ渦でもNSW州やVIC州よりも比較的規制が緩和されているQLD州への他州からの人口流入が一段と進み、特にゴールドコーストの不動産市場は「中古物件」不足が顕著で、今年は売り手市場が明確になり、しばらくこれが続く見込みです。その影響でオークションによる売却スタイルが増え、価格も吊り上がる傾向にありますので、このタイミングで中古住宅購入を検討する方は、「早く買わないと、買えなくなる」という心理的な圧迫に負けないように冷静な判断をすることが肝要です。逆にオフザプラン(図面売り)などの既存の「新築物件」の方が、割安感が出てきている場合もあります。
気になる国境開放の動きですが、オーストラリアのモリソン首相は1日、コロナワクチン接種済の国民に対して11月から国境を開放し、自由に入国できると発表し、ワクチン接種率が80%を超えた州の住民は、旅行が可能になると発表しました。
しかしながらQLD州は、依然としてワクチン接種率50%、NSW州との州境も閉鎖している状態。ということで、シドニーからは日本に行けるけど、ブリスベンからはまだ出国できないという状況も起こり得ます。コロナ渦でも比較的安全であったため、ワクチン接種に出遅れた感があるQLD州の国境開放は他州と比べ、少々遅れそうです。日本からの観光ビザでの入国は、これらよりも少し先になりそうです。
一方メルボルンはロックダウンが世界最長になり、今月末の終了時点で267日に達する見込みです。接種率が80%に達する11月中旬以降に規制緩和の予定です。またNSW州は、5日突然の州首相交代劇があり、39歳のNSW州首相が誕生しました。
1.オーストラリア経済 ☛☛☛
豪中銀(RBA)は5日、政策金利を過去最低の0.10%で据え置きました。住宅市場の過熱に対する懸念が高まっていますが、長期間にわたり低金利を維持する意向を示唆し、経済全体に悪影響が及ぶとして住宅市場の抑制に政策金利を用いることには否定的な立場のようです。
ロックダウンが続く中、第3四半期は景気縮小が必至とみられており、景気支援継続の必要性が出ています。失業率は、8月4.5% (7月4.6%) に若干低下傾向にあります。
●オーストラリアの住宅価格は9月も上昇基調を維持し、前月比上昇率は8月と同じく1.5%、前年比で20.3%の上昇と1989年6月以来の大幅な上昇を記録です。
都市別では、シドニー前年比23.6%、メルボルン15.0%、ブリスベン20.0%、パース18.0%の上昇となりました。
住宅価格が所得を超えるペースで上昇しており、超低金利を背景に購入者が多額の借り入れを行う傾向も強まっています。
新規住宅ローンの内、所得の6倍以上を借り入れる人の割合は、昨年4~6月期に全体の16%を占めていましたが、今年の4~6月期には22%に上昇。金融当局は金利の上昇や失業者が増えた場合に金融不安につながる可能性があるとして、こうした返済負担の大きい融資を取り締まる方法を検討しており、銀行の貸し出しに何らかの規制が設けられる可能性があります。
また住宅の供給水準が平均を下回り、金融政策が依然として緩和的な中、引き続き売り手市場が続くと予測され、このタイミングで購入を検討されている方は熟考が必要です。
2.ゴールドコースト住宅価格“過去1年間で1日当り400ドル近く上昇”🔥 ⤴ ⤴ ⤴
2021年の住宅市場は、心理的にも購入圧力が強まり、ブロードビーチより南側方面は、昨年よりも32%以上の価格上昇となりました。それ以外でも20%前後の上昇幅となっています。
平均価格は、2020年8月の568,566ドルから現在709,992ドルに上昇。わずか1年で平均141,426ドルの上昇となりました。
主要エリアではブロードビーチ~バーレイ986,402ドル・サーファーズパラダイス569,886ドル・ロビーナ725,282ドル・ネラング701,971ドル・GC北部エリア625,544ドルとなっており、ブリスベンやアデレードなどの都市圏の上昇幅を上回っています。
それでもシドニーの中央住宅平均値よりも約330,000ドルも低く、NSW州や他州からの投資熱は下がる気配がありません。
3.ニュージーランド(NZ)航空、乗客もワクチン接種を義務化!!
NZ航空は国際線に搭乗する18歳以上の乗客にコロナワクチンの接種完了を来年2月から義務付けると発表しました。乗務員は既に義務化されており、カンタス航空も義務化を検討しています。
また10月、オーストラリアで初めてビクトリア州が、アスリートを含む約125万人の「就労を許可された労働者」に大規模な「ワクチン接種義務化」を導入しました。