オピック”知っ得情報” 2020年6月号
新型コロナの影響で、QLD州はまだ“州境”を封鎖していますが、州内での観光や宿泊を既に解除し、州内観光産業の活性化に努めています。
ただ州境の封鎖解除や観光目的での海外渡航解禁には、まだ少々時間がかかりそうです。
1.豪州経済、リセッションへ ➴➴➴➴
オーストラリア準備銀行(中央銀行/RBA)は、2日定例理事会を開き、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートを過去最低の0.25%に据え置きました。
新型コロナウィルス危機を受けて導入した規制が解除され、経済活動が再開する中、今四半期は1930年代以来最大の落ち込みに見舞われているとの認識を示すものの、「景気後退の深さは以前の予想ほどでない可能性がある」とし、「個人消費の一部に持ち直しの動きが見られる」と指摘しました。
多くのエコノミストは、豪政策金利が少なくともあと2年は過去最低水準にとどまるとみており、失業率は第3・四半期までに、9.0%近くに上昇するとの予想です。
また統計局は、今年1~3月期は感染拡大による経済活動の縮小や国内で相次いだ森林火災などが影響し、実質国内総生産(GDP)の成長率が前期比0.3%減になったと発表、四半期ベースでは2011年1~3月期来、9年ぶりのマイナス成長となりました。今年4~6月期も経済活動の縮小が続いており、財務省は6月期の結果を待たずに、1991年以来30年ぶりのリセッション(2四半期連続でマイナス成長・景気後退)に突入したと発表しました。
不動産業界も今回の危機の影響で市場の動きは一層鈍化し、買い手市場に移行。購入のタイミン
グとしては悪くありません。賃貸市場は、財政的に困窮している借主に政府の救済指針が示され
それに伴う貸主との賃料減額交渉も増え、留学生の急減が市場の動きを非常に悪くしています。
豪州政府による外国投資の審査強化・コロナ起源の独自調査要求による中国政府の反発、プラス
豪州への渡航自粛勧告など、両国間の対立深刻化は多方面に広がり、不動産市場にも逆風です。
2. ヴァージン・オーストラリア航空買収先の行方!!
4月に経営破綻したヴァージン・オーストラリア航空の売却先について、管財人のデロイトは、ベインキャピタル(米ファンド)と(米)サイラス・キャピタル・パートナーズを最終候補に選定したと発表しました。ヴァージン・オーストラリアに対しては、ベインとサイラスを含む5社が買収案を提出していました。
最終候補の2社は、今後利害関係者や航空機リース会社などと交渉します。デロイトは6月30日までに買収の最終合意を目指すとしており、消費者にとってもカンタス航空による市場の独占は避けてほしいものです。
3.日本への唯一の直行便は継続!!
6月9日、全日空は,現在唯一の日豪直行便であるシドニー・羽田線の運航(週3便)
を8月1日まで継続する一方、パース・成田線の運休を7月31日まで延長することを発表しました。日本航空は変わらず6月末まで運休としており、カンタスやジェットスターの国際線は現状7月末まで運休となっています。
豪州の門戸開放は、ニュージーランドからと言われており、日本への通常運航はまだ見通しが立っていません。困ったものです。